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​だから観覧車は泣いた

まわる まわる 観覧車

バイバイ バイバイ また明日

あれから幾つ数えただろう?

もう憶えてないや

 

ゆれる ゆれる 観覧車

青い空にひとりきり

いつものように遠くを見ては

小さく咳をする

 

ゴンドラ 窓の向こう側は

あんなに温かそうだな

胸の奥が苦しくなる

私にはないものばかりでした

 

彩の海に溺れて消えてしまえ

悲しみはもう要らない

まだ夢を見ていたいから

今日も私、笑う

星をなぞって笑う

 

私はほどけて 私はいなくなる

そう それは遠くない未来

暗い渦へさよなら

せめてその前に声が出なくても

伝わるまで叫ばなくちゃ

どうか聞いておくれ

 

たとえ消えてしまっても

忘れないで、私のこと

心に思い出がある限り

ずっとそばにいるよ

 

ああ 愛を知った者の最期は一際美しい

凍えるような寒さだけがあなたの温もりを感じさせた

 

彩の海に溺れて消えてしまえ

悲しみはもう要らない

まだ夢を見ていたいから

今日もあたし……

 

彩の海に溺れて消えてしまえ

悲しみはもう要らない

わかってる でも恋しくて

ぽつり あたし泣いた

星に照らされ泣いた

 

まわる まわる 観覧車

雨に濡れてひとりきり

からだを叩く優しい音に

そっと耳 澄ませば……

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